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食肉情勢

(1)牛肉

<供給>
(1)国産
 平成29年10月成牛と畜頭数は、90.5千頭(前年比102.9%)となり、前年をやや上回った。内訳を見ると、和牛37.3千頭(前年比103.2%)、交雑牛21.0千頭(同109.2%)、乳牛去勢16.2千頭(同99.1%)であった。
 平成29年11月の成牛と畜頭数は、速報値(11/30まで集計)で97.2千頭(前年比93.8%)と減少している。(独)農畜産業振興機構が11月24日に公表した牛肉の需給予測によると、12月は1日当たりの出荷頭数は前年を下回るものの、と畜場稼働日数が前年を上回ると見込まれることから、出荷頭数はわずかに、生産量はやや、いずれも前年を上回ると予測している。品種別の12月出荷予測について、和牛は前年をわずかに上回り、交雑種は酪農家における乳用後継牛への黒毛和種交配率上昇により増加が見込まれる一方で、乳用種は減少が継続すると見込んでいる。

(2)輸入

 平成29年10月の輸入通関実績によると牛肉輸入量は全体で43.3千トン(前年比105.0%、前月比71.2%)であった。内訳は、チルドが22.4千トン(前年比127.9%、前月比88.8%)、フローズンは20.9千トン(同88.1%、同58.8%)であった。チルドビーフについては、豪州産が9.6千トン(前年比123.9%)、米国産は11.7千トン(同131.9%)であった。米国産については、チルドが、かた・うで・ももが5,567トン(前年比143.1%)、バラが5,136トン(同122.5%)とこれまでの傾向と同じになっているほか、フローズンについても、バラが6,909トン(前年比109.1%)とこれまでの傾向が維持されている。(独)農畜産業振興機構が11月24日に公表した牛肉の需給予測によると、今後のチルドビーフ輸入量について、主に出荷頭数の増加により米国産の輸入量の増加が見込まれることから、月間2万3千トン前後で推移すると予測する。なお、10~12月の3ヶ月平均では、前年同期をかなり上回ると予測している。

<需要>
(1)家計
 総務省発表の平成29年10月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は544g(前年比105.6%)、支出金額が1,802円(同110.0%)と購入量および金額ともに前年を上回った。

(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の10月の販売統計速報によると、既存店ベースでの畜産部門の売上高は1,067億円(前年比4.9%増)となった。全般的に相場が高値で推移するなか、水産カテゴリーからの需要シフトも追い風となり好調となった。気温低下により鍋物やしゃぶしゃぶなどホットメニュー用商材が好調であり、鶏肉・豚肉は好調とするコメントが多い。牛肉は好不調が分かれているが、国産品や高単価商品の動きがよいとの判断もみられた。
 日本チェーンストア協会が公表した10月販売概況によると、畜産品の売上は869億円(店舗調整後で前年比5.5%増)であった。畜産品の動きは、牛肉、豚肉、鶏肉ともに好調。鶏卵、ハム・ソーセージの動きも良かったとしている。

(3)外食
 日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査10月度結果報告によると、10月は土曜日が1日少ない曜日回りに加え、台風が2週続けて週末に上陸接近したこと、月全体を通して雨天日が多かったこと等から、客数は14ヶ月ぶりに前年を下回ったが、フェアメニューなど高単価商品が堅調な店舗もあり客単価が上昇、外食全体の売上は100.1%と前年をわずかに上回った。また、限定的ではあるが、総選挙期間中に予約が減り売上に影響したところもあった。ファミレス業態の全体売上は97.7%と5ヶ月ぶりに前縁を下回ったが、焼肉は天候に恵まれない中でも好調を維持しており、売上は106.2%となったとしている。

<在庫>
 (独)農畜産業振興機構公表の平成29年9月末の推定期末在庫量は、119.1千トン(前年比95.4%、前月比102.7%)となった。内訳は、輸入品在庫が108.0千トン(前年比94.9%、前月比101.7%)、国産品在庫が11.1千トン(同100.6%、同113.2%)となった。同機構によれば、国産品と輸入品を合わせた期末在庫は、10月が118.3千トン(前年比101.7%)、11月が109.9千トン(同97.1%)、12月が100.1千トン(同92.7%)と予測している。

<市況>
(1)11月~12月
 平成29年11月の東京市場枝肉卸売価格(速報値11/30時点)は、和牛去勢A5が2,844円(前年比98.5%)、和牛去勢A4が2,517円(同95.4%)、和牛去勢A3が2,225円(同91.0%)、交雑牛B3が1,436円(同87.3%)と、これらの全てのグレードで前年を下回った。
 (独)農畜産業振興機構が11月24日に公表した12月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が45.6千頭(前年比102.5%)、交雑牛が22.7千頭(同108.2%)、乳牛(雌含む)が29.0千頭(同98.9%)であり、全体では98.7千頭(同102.6%)と見込んでいる。
 11月枝肉相場については、和牛は上物を中心に堅調で寒さが増し鍋需要の高まりと、月後半から年末に向けて手当てが動き出した。交雑牛は軟調であった。12月は年末年始の手当てが本格化するが、年内最終セリと年始初セリが前年比で長くなることもあり、例年よりも早い段階で年末年始向け需要が出始めたことで和牛の12月相場は強含みで推移が想定される。

(2)豚肉

<供給>
(1)国産

 平成29年10月度全国の肉豚出荷頭数は1,428千頭(農林水産統計11/30公表 前年比104.0%)となった。農水省9月27日発表の月出荷予測では1,441千頭(前年比105%)と予測されており、前年を上回る結果となった。10月の全国地域別出荷頭数を前年同月比で見ると、北海道102%、東北107%、関東104%、北陸甲信越112%、東海105%、近畿95%、中四国105%、九州・沖縄103%となっており、近畿地区を除く、全ての地区で前年同月を上回る結果となっている。
 平成29年11月の全国と畜頭数は、速報値で1,377千頭(11/30まで集計)、前年同比97.1%となっている。稼働日数では昨年と同じ20日となり、1日当たりの平均と畜頭数は速報値段階で68,845頭となっている。
 農水省食肉鶏卵課平成29年11月28日付 肉豚生産出荷予測によると、今後の出荷予測頭数は平成29年12月1,515千頭(同102%)1月1,434千頭(同103%)、2月1,310千頭(100%)、3月1,413千頭(98%)、4月1,347千頭(102%)、5月1,394千頭(103%)となっている。  

(2)輸入
 平成29年10月の輸入通関実績は豚肉全体で78.5千トン(前年同比112.4%、前月比107.4)となった。内訳は、チルド33.1千トン(前年同比115.9%、前月比105.4%)、フローズン45.4千トン(前年比109.9%、前月比108.9%)となった。主な国別では、チルドが米国16.7千トン(前年同比105.6%)、カナダ15.4千トン(同131.5%)、フローズンは米国が4.2千トン、(同82.4%)、カナダが2.7千トン(同66.8%)、デンマーク10.4千トン(同102.7%)、スペイン9.1千トン(同138.8%)、メキシコ6.9千トン(同12.37%)となり、チルドは引き続きカナダの伸長が、またフローズンではスペイン、オランダ、メキシコの伸長が目立つ一方で、北米からの輸入量は引き続き低下している。

<需要>
(1)家計

 総務省発表の平成29年10月期家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,827g(前年比101.3%)、支出金額が2,680円(前年比105.6%)となり、支出金額、購入数量ともに前年同月を上回った

(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の10月の販売統計速報によると、既存店ベースでの畜産部門の売上高は1,067億円(前年比4.9%増)となった。 全般的に相場が高値で推移するなか、水産カテゴリーからの需要シフトも追い風となり好調となった。気温低下により鍋物やしゃぶしゃぶなどホットメニュー用商材が好調であり、鶏肉・豚肉は好調とするコメントが多い。牛肉は好不調が分かれているが、国産品や高単価商品の動きがよいとの判断もみられた。
 日本チェーンストア協会が公表した10月販売概況によると、畜産品の売上は869億円(店舗調整後で前年比5.5%増)であった。畜産品の動きは、牛肉、豚肉、鶏肉ともに好調。 鶏卵、ハム・ソーセージの動きも良かったとしている。
 水産物が不漁等により値ごろ感を失っているところに、手ごろな価格となっている葉物の動きと、全国的に寒気に晒された影響も相まって、前月以上に鍋物需要が伸長する形となった。部位別にみるとバラ、肩ロースの動きが際立ち、ウデ、モモといった低級部位についても、国内在庫量がそこまで多くないこともあり、冷凍に振り替わる状況とはならなかった。

(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表 平成29年9月の豚肉加工品仕向量は31.4千トン(前年同比98.4%、前月比101.9%)と前月からは増加した。この内、国内物が5.9千トン(同92.3%、同106.4%)、輸入物が25.5千トン(同100.0%、同100.9%)となっている。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークについては10.1千トン(前年同月比103.1%)となっている。

<在庫>
 農畜産業振興機構発表の平成29年9月末の推定期末在庫量は、171.1千トン(前月比97%、前年比101%)となり、前月から6.0千トン減少した。内訳は、輸入品の在庫が155.8千トン(前月比97%、前年比103%)、国産品が15.3千トン(同97%、同87%)となった。依然、国産豚肉における冷凍在庫の減少が昨年と比して際立つ状況となっている。

<市況>
(1)11月~12月

 11月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値(11/30時点)で580円/kg(前年比112.8%、前月比105.8%)となり、前月同様に、前年を大きく上回る結果となった。出荷頭数は速報値ベースであるが、前年同月より97.1%と減少、そこに季節的な需要増と水産物カテゴリーからの需要シフトがあり、平成に入って二番目の高値となった。
 農林水産省食肉鶏卵課発表の12月出荷予測頭数は1,515千頭(前年比102%)となっている。季節的な背景によるスライス、鍋物商材の需要に加え例年にないほどの水産物カテゴリーからの畜産物への需要シフトが加わることで、需要は供給を上回ることが見込まれる。また、依然少な目で推移している国内国産冷凍在庫を確保する動きも衰えが見えないことから、今しばらく高値が続くものと予測する。

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