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食肉情勢

(1)牛肉

<供給>
(1)国産
 平成29年8月成牛と畜頭数は、82.6千頭(前年比99.4%)となり、わずかに前年を下回った。内訳を見ると、和牛33.0千頭(前年比98.6%)、交雑牛18.9千頭(同106.5%)、乳牛去勢15.8千頭(同96.0%)であった。
 平成29年9月の成牛と畜頭数は、速報値(9/29まで集計)で82.3千頭(前年比95.6%)と減少している。(独)農畜産業振興機構が9月25日に公表した牛肉の需給予測によると、10月は1日当たりの出荷頭数は前年をわずかに下回るものの、と畜場稼働日数が前年を上回ると見込まれることから、出荷頭数は前年をわずかに、生産量は前年をやや、いずれも上回ると予測している。品種別の出荷予測について、和牛は、飼養頭数が回復傾向にあることも影響し10月は前年をやや上回ると見込む。交雑種は酪農家における乳用後継牛への黒毛和種交配率の上昇により増加が見込まれる一方で、乳用種は減少が継続すると見込んでいる。

(2)輸入

 平成29年8月の輸入通関実績によると牛肉輸入量は全体で46.9千トン(前年比121.1%、前月比83.0%)であった。内訳は、チルドが25.5千トン(前年比130.1%、前月比115.6%)、フローズンは21.4千トン(同111.8%、同62.1%)であった。チルドビーフについては、豪州産が10.8千トン(前年比108.9%)、米国産は大幅に増加し13.7千トン(同154.4%)であった。米国産チルドビーフの内訳をみると、かた・うで・ももが6.9千トン(前年比191.2%)と急増しており、これが米国産チルドビーフ輸入量が大幅に増加した背景になっている。(独)農畜産業振興機構が9月25日に公表した牛肉の需給予測によると、今後のチルドビーフ輸入量について、主に出荷頭数の増加により米国産の輸入量の増加が見込まれることから、8月から10月にかけて月間2万3千トン前後で推移すると予測する。なお、8~10月の3ヶ月平均では、過去5ヶ年平均を大幅に上回ると予測している。

<需要>
(1)家計
 総務省発表の平成29年8月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は606g(前年比109.4%)、支出金額が1,960円(同104.4%)と購入量および金額ともに前年を上回った。

(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の8月の販売統計速報によると、既存店ベースでの畜産部門の売上高は1,022億円(前年比2.5%増)となった。畜産はやや好調で、ステーキや焼肉用の牛肉が好調となった。輸入牛を中心に好調ではあるが、お盆時期は和牛やブランド牛の動きが良かった。豚肉は国産が相場高で伸び悩んだが、冷しゃぶ用の動きは良かった。一方で価格上昇による数量減や輸入豚への需要シフトにより伸び悩んだ店舗もみられたとしている。
 日本チェーンストア協会が公表した8月販売概況によると、畜産品の売上は820億円(店舗調整後で前年比1.9%増)であった。畜産品の動きは、牛肉、豚肉、鶏肉は好調。鶏卵の動きは良く、ハム・ソーセージは堅調に推移した。

(3)外食
 日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査8月度結果報告によると、8月は東京で21日間連続降雨を記録するなど、東日本・北日本は日照時間が少なく低温の日が続き客足に影響したものの、各社のキャンペーン等の集客努力もあり、リオ・オリンピックの開催で外食需要が低調だった昨年と比べると客足は上回り、全体売上は前年比103.5%と12ヶ月連続で前年を上回った。ファミリレストラン業態は全体売上は前年比102.1%と前年を上回った。焼き肉はお盆の時期の集客が好調で、売上は前年比109.1%となったとしている。

<在庫>
 (独)農畜産業振興機構公表の平成29年7月末の推定期末在庫量は、113.7千トン(前年比89.6%、前月比104.9%)となった。内訳は、輸入品在庫が103.6千トン(前年比89.6%、前月比15.6%)、国産品在庫が10.0千トン(同90.3%、同98.5%)となった。同機構によれば、国産品と輸入品を合わせた期末在庫は、8月が116.8千トン(前年比91.6%)、9月が113.3千トン(同90.8%)、10月が107.1千トン(同92.1%)と予測している。

<市況>
(1)9月~10月
 平成29年9月の東京市場枝肉卸売価格(速報値9/29時点)は、和牛去勢A5が2,806円(前年比100.0%)、和牛去勢A4が2,393円(同93.7%)、和牛去勢A3が2,016円(同85.2%)、交雑牛B3が1,403円(同83.2%)と、これらの全てのグレードで前年を下回った。
 (独)農畜産業振興機構が9月25日に公表した10月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が37.3千頭(前年比103.4%)、交雑牛が20.5千頭(同106.3%)、乳牛(雌含む)が30.9千頭(同97.6%)であり、全体では85.4千頭(同99.0%)としている。
 9月の枝肉相場は、相変わらず4等級以上は堅調な外食需要に支えられて相場は持ち合い、3等級および交雑牛については量販店需要の低迷から全体的にやや弱含みの相場展開であった。10月もほぼ同じような傾向が継続するものと見込まれる。11月は和牛の出荷頭数が前年比で少なめに推移するとの見方もあり、相場が上向くことに期待したい。

(2)豚肉

<供給>
(1)国産

 平成29年8月度全国の肉豚出荷頭数は1,311千頭(農林水産統計9/28公表前年比98.7%)となった。農水省6月26日発表の8月出荷予測では、1,332千頭(前年比100%)と予測されていたとおり、前年を下回る結果となった。8月の全国地域別出荷頭数を前年同月比で見ると、北海道101%、東北101%、関東99%、北陸甲信越102%、東海98%、近畿97%、中四国98%、九州・沖縄97%となっており、東海から以西については、全ての地区で前年同月を下回る結果となった。
 平成29年9月の全国と畜頭数は、速報値で1,281千頭(9/30まで集計)、前年同比96.9%となっている。稼働日数では昨年と同じ20日となり、1日当たりの平均と畜頭数は速報値段階で64,030頭となっている。
 農水省食肉鶏卵課平成29年9月27日付 肉豚生産出荷予測によると、今後の出荷予測頭数は平成29年10月1,441千頭(同105%)11月1,483千頭(同101%)、12月1,515千頭(102%)、1月1,420千頭(102%)、2月1,310千頭(100%)、2月1,412千頭(98%)となっている。  

(2)輸入
 平成29年8月の輸入通関実績は豚肉全体で78.5千トン(前年同比106.2%、前月比105.2%)となった。内訳は、チルド36.5千トン(前年同比122.4%、前月比120.9%)、フローズン42.0千トン(前年比95.2%、前月比94.5%)となった。主な国別では、チルドが米国19.4千トン(前年同比109.8%)、カナダ16.2千トン(同144.6%)、フローズンは米国が3.5千トン、(同52.1%)、カナダが2.3千トン(同76.6%)、デンマーク9.6千トン(同86.3%)、スペイン8.6千トン(同116.9%)、メキシコ6.6千トン(同127.9%)となり、チルドは引き続きカナダの伸長が、またフローズンではスペインの伸長が目立つものの、冷凍豚肉の輸入国ベースで見るとデンマークが一番多い状況となっている。

<需要>
(1)家計

 総務省発表の平成29年8月期家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,653g(前年比101.7%)、支出金額が2,419円(前年比101.4%)となった。支出金額、購入数量ともに前年同月を上回った

(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の8月の販売統計速報によると、既存店ベースでの畜産部門の売上高は1,022億円(前年比2.5%増)となった。畜産はやや好調で、ステーキや焼肉用の牛肉が好調となった。輸入牛を中心に好調ではあるが、お盆時期は和牛やブランド牛の動きが良かった。豚肉は国産が相場高で伸び悩んだが、冷しゃぶ用の動きは良かった。一方で価格上昇による数量減や輸入豚への需要シフトにより伸び悩んだ店舗もみられたとしている。
 日本チェーンストア協会が公表した8月販売概況によると、畜産品の売上は820億円(店舗調整後で前年比1.9%増)であった。畜産品の動きは、牛肉、豚肉、鶏肉は好調。鶏卵の動きは良く、ハム・ソーセージは堅調に推移した。
 需要家による売り場が秋冬版に変化したことを受けて、全般的にはバラ、肩ロースといったスライスものを中心に荷物が動く展開となった。また国内在庫量が少ないことを背景に、学校給食や加工筋にむける低級部位についても荷動きは良く、出荷頭数減も相まって、この時期にしては底堅い動きとなった。

(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表 平成29年7月の豚肉加工品仕向量は32.6千トン(前年同比101.0%、前月比95.9%)と前年からは増加した。この内、国内物が6.3千トン(同92.4%、同87.5%)、輸入物が26.3千トン(同103.3%、同98.1%)となっている。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークについては9.8千トン(前月比105.1%)となっている。

<在庫>
 農畜産業振興機構発表の平成29年7月末の推定期末在庫量は、176.1千トン(前月比97.2%、前年比102.2%)となり、前月から5.1千トン減少した。内訳は、輸入品の在庫が161.6千トン(前月比98.0%、前年比105.3%)、国産品が14.5千トン(同88.3%、同77.3%)となった。依然、国産豚肉における冷凍在庫の減少が際立つ状況となっている。

<市況>
(1)9月~10月

 9月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値(9/30時点)で615円/kg(前年比117.6%、前月比96.4%)となり、前月同様に、前年を大きく上回る結果となった。出荷頭数は速報値ベースであるが、前年同月より96.9%と減少した。疾病ならびに昨年の猛暑の影響もあり、特に東海から以西に関しては非常にタイトな出荷状況となった。
 農林水産省食肉鶏卵課発表の10月出荷予測頭数は1,441千頭(前年比105%)となっており、前年より多めの出荷頭数を予測されており、これまで季節的な背景も手伝うなかタイトになっていた出荷は、関東以北を中心に一定程度回復することが見込まれる。他方、国内在庫は国産豚肉を中心に薄目の状況が続いており、ギフト向けの原料手当てに加え、需要家による売場の変化も相まって、引き続き需給が引き締まる底堅い展開になることを予測する。

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