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食肉情勢

(1)牛肉

<供給>
(1)国産
 平成29年4月成牛と畜頭数は、88.7千頭(前年比98.8%)となり、25ヶ月連続で前年割れとなった。内訳を見ると、和牛38.2千頭(前年比98.4%)、交雑牛20.9千頭(同 105.6%)、乳牛去勢15.9千頭(同 95.8%)であった。和牛、乳牛についての出荷頭数減少傾向が継続している実態を反映した数値となった。
 平成29年5月の成牛と畜頭数は、速報値(5/31まで集計)で76.7千頭(前年比94.6%)と減少した。(独)農畜産業振興機構が5月24日に公表した牛肉の需給予測によると、6月は1日当たりの出荷頭数が前年を下回り、と畜場稼働日数が前年並みと見込まれることから、出荷頭数はわずかに前年を下回るものの、生産量は枝肉重量の増加により前年並みと予測している。品種別の出荷予測について、和牛は、6月は飼養頭数が回復傾向にあることも影響し、前年をわずかに上回ると見込まれる。 交雑種は酪農家における乳用後継牛への黒毛和種交配率の上昇により増加が見込まれる一方で、乳用種は減少が継続すると見込むとしている。

(2)輸入

 平成29年4月の輸入通関実績によると牛肉輸入量は全体で51.5千トン(前年比98.7%、前月比118.2%)であった。内訳は、チルドが22.9千トン(前年比109.6%、前月比103.5%)、フローズンは28.6千トン(同 98.7%、同 118.2%)であった。チルドビーフについては、豪州産が10.5千トン(前年比 88.9%)と前年を10%以上も下回ったが、米国産が11.6千トン(同 138.2%)と大幅に増加した。米国産チルドビーフは、バラが5,927トン(前年比 128.1%)、かた・うで・ももが4,931トン(前年比 153.7%)となり、引き続きショートプレート、チャックアイロールの輸入量が多かったことがわかる実績であった。(独)農畜産業振興機構が5月24日に公表した今後のチルドビーフ輸入量予測によると、出荷頭数の減少により豪州産の減少が見込まれる一方で、米国産は生産量の回復に伴い増加が見込まれる。 5月は前年をわずかに上回る一方で、6月は前年をわずかに下回ると予測する。4~6月の3ヶ月平均では、前年をやや上回ると予測している。

<需要>
(1)家計
 総務省発表の平成29年4月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は527g(前年比99.6%)、支出金額が1,665円(同 95.7%)と購入量、金額ともに前年を下回った。

(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の4月の販売統計速報によると、既存店ベースでの畜産部門の売上高は984億円(前年比2.3%増)となった。 和牛は相場高が続いている中、切り落としを中心とした輸入牛の売り込みを強化する動きが強まる。 牛肉は焼肉商材などが比較的好調、豚肉は気温上昇により豚しゃぶなどが好調で数量が増加傾向にある。一方で単価は下落傾向にあり、販売数量増加の有無により好不調がわかれている。ブラジル産の報道により、鶏肉は不振となった店舗が多いなどとしている。
 日本チェーンストア協会が公表した4月販売概況によると、畜産品の売上は795億円(店舗調整後で前年比1.9%増)であった。畜産品では、牛肉、豚肉、鶏肉ともに動きは良く、鶏卵、ハム・ソーセージの動きも良く、全体的に好調であった模様としている。

(3)外食
 日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査4月度結果報告によると、前月に引き続き全般的に客足堅調で、一部業態では花見需要や歓迎会需要が高まり、2ヶ月連続してすべての業態で客数が前年を超え、全体売上は前年比104.7%と8ヶ月連続で前年を上回った。ファミリーレストラン業態の全体売上は前年比102.4%となった。業種別では、焼き肉は送迎会需要を取り込み集客好調で売上は前年比107.4%であったとしている。

<在庫>
 (独)農畜産業振興機構公表の平成29年3月末の推定期末在庫量は、102.8千トン(前年比88.6%、前月比99.7%)となった。内訳は、輸入品在庫が92.0千トン(前年比87.7%、前月比99.7%)、国産品在庫が10.8千トン(同 97.0%、同99.7%)と輸入品、国産品ともに減少した。同機構によれば、国産品と輸入品を合わせた期末在庫は、4月が102.8千トン(前年比89.8%)、5月が103.6千トン(同 86.6%)、6月が105.8千トン(同 86.2%)と見込んでおり、冷凍品輸入量の減少により5月、6月ともに前年をかなり大きく下回ると予測している。

<市況>
(1)5月~6月
 平成29年5月の東京市場枝肉卸売価格(速報値5/31時点)は、和牛去勢A5が2,806円(前年比96.2%)、和牛去勢A4が2,435円(同89.9%)、和牛去勢A3が2,167円(同 84.9%)、交雑牛B3が1,461円(同 84.9%)と、全てのグレードで前年を下回った。
 (独)農畜産業振興機構が5月24日に公表した6月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が34.7千頭(前年比100.5%)、交雑牛が18.3千頭同 106.0%)、乳牛(雌含む)が28.1千頭(同 92.8%)であり、全体では82.5千頭(同 98.8%)としている。
 枝肉相場はゴールデンウィーク明け直後には補充買いで相場は強含んだものの、その後は軟調に推移した。 しばらくはこの傾向が継続していくものとみられる。 7月下旬には盆休み前需要が出始めることもあり、相場の好転に期待したい。

(2)豚肉

<供給>
(1)国産

 平成29年4月度全国の肉豚出荷頭数は1,314千頭(農林水産統計5/31公表 前年比96.1%)となった。農水省3月31日発表の4月出荷予測では、1,343千頭(前年比98%)と予測されていたものの、29千頭下回る結果となった。4月の全国地域別出荷頭数を前年同月比で見ると、北海道97%、東北98%、関東94%、北陸甲信越96%、東海92%、近畿96%、中四国95%、九州・沖縄101%となっており、九州を除いて全般的に前年同月を割り込む結果となった。
 平成29年5月の全国と畜頭数は、速報値で1,275千頭(5/31まで集計)、前年同比97.0%となっている。稼働日数では昨年より1日多い20日となり、1日当たりの平均と畜頭数は速報値段階で63,750頭となっている。
 農水省食肉鶏卵課平成29年5月12日付 肉豚生産出荷予測によると、今後の出荷予測頭数は平成29年6月1,314千頭(同101%)7月1,238千頭(同99%)、8月1,327千頭(100%)、9月1,362千頭(100%)、10月1,447千頭(105%)、11月1,486千頭(102%)となっている。  

(2)輸入
 平成29年4月の輸入通関実績は豚肉全体で76.9千トン(前年同比100.9%、前月比94.6%)となった。内訳は、チルド31.9千トン(前年同比103.2%、前月比87.6%)、フローズン44.9千トン(前年比99.4%、前月比100.2%)となった。なお、輸入チルドポークの輸入量が、4月単月としてはこれまでの最高値となっている。主な国別では、チルドが米国17.3千トン(前年同比95.4%)、カナダ13.7千トン(同116.7%)、フローズンは米国が5.3千トン、(同112%)、カナダが3.2千トン(同95.5%)、デンマーク10.5千トン(同99.8%)、スペイン9.0千トン(同108.1%)、メキシコ6.0千トン(同118.8%)となり、チルドはカナダの伸長が、またフローズンではアメリカ、メキシコ、スペインの伸長が目立つ。

<需要>
(1)家計

 総務省発表の平成29年4月期家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,707g(前年比100.9%)、支出金額が2,414円(前年比100.6%)となった。支出金額、購入数量ともに前年同月を上回った。


(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の4月の販売統計速報によると、既存店ベースでの畜産部門の売上高は984億円(前年比2.3%増)となった。 牛肉は、切落としを中心とした輸入牛の販促と、焼き肉商材が比較的好調で、豚肉については気温の上昇に伴う「豚しゃぶ」が好調との報告がなされている。
 日本チェーンストア協会が公表した4月販売概況によると、畜産品の売上は795億円(店舗調整後で前年比1.9%増)であった。畜産品では、牛肉、豚肉、鶏肉ともに動きは良く、鶏卵、ハム・ソーセージの動きも良く、全体的に好調であったとの報告がなされている。
 量販店での売場が、いわゆる夏型にシフトしたことで商品構成に変化がみられ、それに呼応する形で荷動きにも変化がみられた月となっている。低級部位は、料理用途の範囲が広いコマ材原料として底堅い動きをしており、またロース、バラも需要家による豚しゃぶ他の販促に伴い、当初の見込み以上に動く状況となっている。 

(3)加工品
 日本ハム・ソ-セージ工業協同組合発表 平成29年3月の豚肉加工品仕向量は30.0千トン(前年同比103.1%、前月比114.0%)と前月より増加した。この内、国内物が5.9千トン(同94.3%、同112.6%)輸入物が24.1千トン(同105.5%、同114.4%)となっている。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークについては10.1千トン(前月比113%)と前月より増加した。

<在庫>
 農畜産業振興機構発表の平成29年3月末の推定期末在庫量は、177.5千トン(前月比103.7%、前年比104.8%)となり、前月から6.4千トン増加した。内訳は、輸入品の在庫が161.7千トン(前月比105.3%、前年比105.4%)、国産品が15.9千トン(同90.0%、同99.4%)となった。

<市況>
(1)5月~6月

 5月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値(5/31時点)で572円/kg(前年比95.8%、前月比112.2%)となり、前年同月を下回る結果となった。全国的に気温の変動が大きいこともあり、前月に引き続き国内出荷頭数は前年同月を38千頭下回る頭数(速報ベース)となった。とりわけ例年と比して長めのGWとなった連休明け後の出荷が、昨年同月同様に少なく、それに需要家が反応する形で、相場は大きく値を上げる形となった。
 農畜産振興機構5/24発表の6月出荷予測頭数は1,303千頭(前年比99.8%)となっている。気象庁によると気温は平年並みから高めと予想されており、加えて、全国的に抜けきらない疾病問題も相まって、工場稼働日数が昨年同時期と同じ状況になることを勘案すると、1日当たりの処理、上場頭数は昨年同月より少ないと予想する。他方、ここ数か月急増しているチルドポークの輸入量は、現地生体高と為替の兼ね合い他で多少軟調に転じると予想され、一旦潮目が変わった相場展開の流れは、しばらくの間続くものと予想する。

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