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食肉情勢

(1)牛肉

<供給>
(1)国産
 平成29年2月成牛と畜頭数は、77.3千頭(前年比93.8%)となり、23ヶ月連続で前年割れとなった。内訳を見ると、和牛31.4千頭(前年比91.4%)、交雑牛17.5千頭(同100.1%)、乳牛去勢15.2千頭(同95.4%)であった。和牛、乳牛についての出荷頭数減少傾向が継続している実態を反映した数値となった。
 平成29年3月の成牛と畜頭数は、速報値(3/31まで集計)で81.5千頭(前年比99.0%)と減少した。(独)農畜産業振興機構が3月24日に公表した牛肉の需給予測によると、4月は1日当たりの出荷頭数は前年同月を下回るものの、と畜場稼働日数が前年を上回ると見込まれることから、出荷頭数、生産量ともに前年をわずかに上回ると予測している。品種別の出荷予測について、4月は、和牛は飼養頭数が回復傾向にあることも影響し前年をわずかに上回り、交雑種は酪農家における乳用牛への黒毛和牛交配率の上昇により増加が見込まれる一方で、乳用種は減少が継続すると見込まれるとしている。

(2)輸入

 平成29年2月の輸入通関実績によると牛肉輸入量は全体で40.6千トン(前年比123.5%、前月比117.0%)であった。内訳は、チルドが16.9千トン(前年比116.7%、前月比96.9%)、フローズンは23.7千トン(同128.8%、同137.2%)であった。チルドビーフについては、豪州産が7.1千トン(前年比84.1%)と大きく減少したが、米国産が9.1千トン(同170.6%)と大幅に増加した。米国産チルドビーフは、バラが4,499トン(前年比157.2%)、かた・うで・ももが3,748トン(前年比197.0%)となり、引き続きショートプレート、チャックアイロールの輸入量が多かったことがわかる結果となった。(独)農畜産業振興機構が3月24日に公表した今後のチルドビーフ輸入量予測によると、出荷頭数の減少により豪州産の減少が見込まれる一方で、米国産は生産量の回復に伴い増加が見込まれる。3月は前年をかなりの程度上回る一方で、4月は前年をやや下回ると予測している。

<需要>
(1)家計
 総務省発表の平成29年2月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は471g(前年比93.5%)、支出金額が1459円(同88.1%)と購入量、金額ともに前年を下回った。

(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の2月の販売統計速報によると、既存店ベースでの畜産部門の売上高は929億円(前年比3.5%減)となった。畜産は「かなり不調」とされ、牛肉は相場高が続いており、輸入牛の売り込みを強化している店舗が多くみられる一方、国産牛に回復傾向があると指摘するコメントがあるなど、販売戦略が二極化しているとしている。
 日本チェーンストア協会が公表した2月販売概況によると、畜産品の売上は766億円(店舗調整後で前年比3.2%減)であった。畜産品では、牛肉、豚肉の動きは良かったものの、鶏肉の動きは鈍く、鶏卵、ハム・ソーセージも鈍かったとしている。

(3)外食
 日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査2月度結果報告によると、うるう年だった前年に比べ営業日数が1日少なく、また、祝日が土曜日と重なるなどの影響があったにも関わらず、ファーストフードの堅調などもあり、全体売上は1.8%増と6ヶ月連続して前年を上回った。ファミリーレストランは1.4%減少したが、焼き肉は3.3%増と洋風、和風などが減少するなかで増加となったとしている。

<在庫>
 (独)農畜産業振興機構公表の平成29年1月末の推定期末在庫量は、105.2千トン(前年比83.2%、前月比97.5%)となった。内訳は、輸入品在庫が94.9千トン(前年比82.2%、前月比97.9%)、国産品在庫が10.4千トン(同94.9%、同93.5%)と輸入品、国産品ともに減少した。同機構によれば、国産品と輸入品を合わせた期末在庫は、2月が103.1千トン(前年比85.6%)、3月が102.9千トン(同88.7%)、4月が95.9千トン(同83.8%)と見込んでおり、いずれも前年を下回ると予測している。

<市況>
(1)3月~4月
 平成29年3月の東京市場枝肉卸売価格(速報値3/31時点)は、和牛去勢A5が2,817円(前年比100.0%)、和牛去勢A4が2,469円(同94.5%)、和牛去勢A3が2,186円(同88.7%)、交雑牛B3が1,573円(同95.9%)と、和牛去勢A5以外については前年を下回った。
 (独)農畜産業振興機構が3月24日に公表した4月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が39.1千頭(前年比100.6%)、交雑牛が21.5千頭(同108.3%)、乳牛(雌含む)が29.8千頭(同98.8%)であり、全体では91.8千頭(同101.7%)としている。3月上旬から中旬にかけて消費の低迷もあり、枝肉相場は緩んでいたが、4月はゴールデンウィークに向けて相場は回復基調に向かうものとみられる。5月はゴールデンウィーク明けとともに枝肉相場はやや軟化することが想定される。

(2)豚肉

<供給>
(1)国産

 平成29年2月度全国の肉豚出荷頭数は1,307千頭(農林水産統計3/30公表前年比96%)となった。農水省12月22日発表の2月出荷予測では、1,377千頭(前年比101%)と予測されていたものの、70千頭下回る結果となった。1月の全国地域別出荷頭数を前年同月比で見ると、北海道100%、東北97%、関東95%、北陸甲信越97%、東海95%、近畿92%、中四国98%、九州・沖縄95%となっており、北海道を除きいずれの地域も減少している。
 平成29年3月の全国と畜頭数は、速報値で1,439千頭(3/31まで集計)、前年同比99.6%となっている。稼働日数では昨年と同じ22日となり、1日当たりの平均と畜頭数は速報値段階で65,395頭となっている。
 農水省食肉鶏卵課平成29年3月31日付肉豚生産出荷予測によると、今後の出荷予測頭数は平成29年5月1,342千頭(同102%)6月1,340千頭(同103%)、7月1,238千頭(99%)、8月1,327千頭(100%)、9月1,362千頭(100%)となっている。  

(2)輸入
 平成29年2月の輸入通関実績は豚肉全体で68.6千トン(前年同比107.8%、前月比90.5%)となった。内訳は、チルド29.6千トン(前年同比109.9%、前月比98.2%)、フローズン38.9千トン(前年比106.3%、前月比85.5%)となった。なお、依然チルドポークの輸入量が多く、一昨年の同時期と比較して約10千トンの増加となっている。主な国別では、チルドが米国16.6千トン(前年同比106.7%)、カナダ12.2千トン(同117.5%)、フローズンは米国が4.3千トン、(同118.0%)、カナダが3.0千トン(同119.9%)、デンマーク8.2千トン(同87.0%)、スペイン7.8千トン(同126.1%)、メキシコ5.9千トン(同132.3%)となり、アメリカ、カナダの伸長が目立つ状況となっている。

<需要>
(1)家計

 総務省発表の平成29年2月期家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,664g(前年比98.6%)、支出金額が2,403円(前年比96.3%)となった。支出金額は12ヶ月連続で下回り、購入数量についても前月を下回った。


(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の2月の販売統計速報によると、既存店ベースでの畜産部門の売上高は929億円(前年比3.5%減)となった。畜産は「かなり不調」とされ、牛肉は相場高が続いており、輸入牛の売り込みを強化している店舗が多くみられる一方、国産牛に回復傾向があると指摘するコメントがあるなど、販売戦略が二極化しているとしている。
 日本チェーンストア協会が公表した2月販売概況によると、畜産品の売上は766億円(店舗調整後で前年比3.2%減)であった。畜産品では、牛肉、豚肉の動きは良かったものの、鶏肉の動きは鈍く、鶏卵、ハム・ソーセージも鈍かったとしている。
 3月の豚肉販売概況は季節を背景に、これまでけん引してきた鍋物スライス商材であるバラ、肩ロースの荷動きが徐々に弱まるなか、学校が春休みに突入したことでウデ、モモといった低級部位の動きも悪くなり、加えて業界全体的な決算月もあって、月の後半にかけて荷回しが悪くなっている状況となっている。ただ、ロースは需要家による販促効果もあり、少し動きが出ている。 

(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合3/31発表平成29年1月の豚肉加工品仕向量は26.7千トン(前年同比106.3%、前月比99.8%)と前月より減少した。この内、国内物が5.1千トン(同96.9%、同89.9%)輸入物が21.6千トン(同108.8%、同79.7%)となっている。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークについては9.0千トン(前月比91.1%)と前月より減少となった。

<在庫>
 農畜産業振興機構発表の平成29年1月末の推定期末在庫量は、175.6千トン(前月比108.3%、前年比104.5%)となり、前月から13.4千トン増加した。内訳は、輸入品の在庫が158.4千トン(前月比108.9%、前年比104.7%)、国産品が17.3千トン(同102.9%、同102.6%)となった。

<市況>
(1)3月~4月

 3月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値(3/31時点)で501円/kg(前年比103.5%、前月比96.2%)となり、前年同月を上回る結果となった。国内出荷頭数は季節背景もあって依然増体が良くないこともあり、前年同月より微減する結果となった。月の前半は前月同様に需要家による特売需要もあり、高めに推移したものの、月の後半にかけては業界全体が決算月ということもあり、全体的に買い控える動きが目立ち、市況に反映した形となった。
 農畜産振興機構3/24発表の出荷予測頭数は1,311千頭(前年比95.8%)となっている。処理工場の稼働日数は昨年同時期より1日少ない20日となること、また引き続き不安定な気候を背景に増体の伸びがそこまで期待できないことから、月トータルすると供給量はそこまで多くないと予測する。加えて、現在のところ国産テーブル豚肉に表面的な影響はみられないブラジル産食肉不正問題が市況に与える影響はゼロではなく、むしろ市況を上げる要因にもなりえることから、供給源を背景に、月後半に向け伸長していくことを予測する。

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